新型HONDA NSXがついにそのヴェールを脱ぐ!
- 2016/4/16
- 新車購入

ホンダのNSXは1989年というバブル時代を象徴するがごとく、当時の国産車としては異例の800万円という高額で販売されました。そこから25年以上の歳月を経て、新型NSXがいよいよ誕生しようとしています。
以前からコンセプトモデルが公開されることはありましたが、いよいよ量産される新型NSXの正式リリースとあって、胸を躍らせている方も多いのではないでしょうか。
今回はこの新型NSXについて、現時点得られる情報をもとに、ご紹介してゆきたいと思います。
25年経て発売される2代目は、初代の倍以上の発売価格!
赤色もかなり良い雰囲気ですね…
気になる新型NSXの販売価格ですが、約1900万円前後となるものと推測されています。
先代のNSXも当時としては相当な高額で話題をさらいましたが、今回の新型はそれをはるかに上回る価格での登場となりました。
先代NSXはそのスペシャルな高性能と、高額な販売価格から国産の唯一のスーパーカーであるとも言われていました。
ちなみに新型NSXの発売前にレクサスLFAが3750万円というとてつもない金額で販売されていましたが、こちらは世界限定500台という非量産プレミアムモデルでした。
新型NSXは一般に量産される車としては、間違いなく最高峰の車であると言えるでしょう。
旧型NSXは800万円で発売され、その後アップグレードを重ねるたびに価格は跳ね上がり、最終的には1300万円まで値上がりしてしまいました。今回の新型NSXの価格の動きも気になるところですね。もしかしたらもでる末期になるころには3000万円まで行ってしまうかもしれません。もはやちょっとした家なら購入できるレベルですが…。
4半世紀を経た新型の性能はどれほどに進化しているのか
初代NSXも25年前デビューとは思えない精悍なエクステリアです!
初代NSXはバブル華やかなりし時代に生まれたスーパーカーですが、エンジンの出力については業界の280馬力自主規制の枠に縛られて、NAの3リッターV6エンジンを奢りながらもカタログスペックでは280馬力という数字に落ち着いていました。これは同時期に販売されていた2リッター直列4気筒ターボのランサーエボリューションが250~280馬力であったのと比較しても、少々地味な数値であることは否めません。トルクではランサーエボリューションの後塵を拝する有様でした。
もちろん理想的な重量配分を実現するミッドシップレイアウトや、極限を目指してチューニングされた足回りやボディーなどが生み出す走りは、他の車にには到底真似のできない凄みがあったのは事実ですが、やはり自主規制によって失ったものもあるのは事実でしょう。
新型NSXでは280馬力自主規制の縛りから解放され、またハイブリッドシステムのパワーアシスト&3.5リッターへの大排気量化、さらにはツインターボにより武装され、その出力はなんと550馬力とされています。いよいよ名実ともにスーパーカーの称号に恥じない実力を手に入れることとなりました。
初代NSXの馬力自主規制と共に残念ポイントとして挙げれらるエンジン横置きレイアウトも新型では縦置きに修正してきました。究極のスポーツカーとして、旧型での妥協点をしっかりと潰す、真摯な姿勢には好感が持てます。
また注目すべきはその駆動方式で、初代の単純なミッドシップ後輪駆動だけではなく、新型ではなんど、前輪も電気モーターによって、走行状況に応じて駆動されます。4輪全てが駆動することによってホイールの空転を最小限にとどめ、見た目の馬力以上の加速性能を手に入れることとなります。また旋回時にもモータのアシストによってそれぞれのタイヤに配分されるトルクを最適化することによってアンダーステア、オーバーステアなどの発生を抑制し、安定走行を積極的にアシストします。
電気モーター駆動ですので、よりダイレクトに繊細な制御が行われるものと推察されます。
最高馬力では、NSXを上回る海外のスーパーカーはいくつかありますが、電子デバイスの制御のチューニング精度のいかんによっては、サーキットなどではそれらをタイムで上回ってくる可能性も無きにしも非ずでしょう。
最先端のパワートレインで世界の強豪に真っ向勝負を挑む!
海外のモンスターマシンとのガチンコ勝負も楽しみ♪
そうなると、とくにニュルブルクリンクでのタイムアタックで、フェラーリやポルシェなどのモンスターマシンとの勝負が楽しみになってきてしまいます。GT-R以来の国産車による走る伝説を目撃することになりそうです。
新型NSXのトランスミッションは初代の5MT(後期6MT)から9DCT(デュアルクラッチトランスミッション)に進化しています。
DCTは自動変速ながらも、MTにも匹敵する高い伝達効率を有しており、しかも多段化によりシフトショックも比較的少なく、クロスレシオ化も可能と、スーパーカーには申し分ないシステムとなっています。
しかも、この高効率な新型トランスミッションは燃費性能向上にも大きく寄与しており、V63.5リッターツインターボエンジン搭載車からはにわかには信じがたいJC08モード燃費15.0~16.0㎞を達成しています。
これなどは往年のスーパーカーの燃費を知っている方にとってはかなり驚きの数字なのではないでしょうか。ランボルギーニーなどは100リットル近い燃料タンクを持ち、戦車のようにガソリンをぶちまけて走っているなどと揶揄されたものでしたから…。
この燃費向上に大きく寄与しているのが電気モーターです。当然のことながら電気モータは省燃費に効果的なハイブリッドシステムとしても機能するわけで、減速時にはエネルギー回収もしっかりと行われているのです。
今の時代環境性能が低い車は到底社会的に淘汰されてしまう情勢ですので、その点でも新型NSXの存在は、より光り輝くものと言えるでしょう。
またちょっとしたこぼれ話としては、このDCTは道路交通法において、ATミッションと同じにみなされるためAT限定の免許でも新型NSXは運転できるということになります。
常識の枠にとらわれない斬新なデザイン!
2014年にサーキットを駆けたコンセプトモデルのデザインをかなり踏襲…
初代NSXは全高1170mmと、かなり車高が低めであったことも相まって、スーパーカーとしてはむしろ小さく感じるものでした。新型においては特に全幅が+130mmと大幅に拡大しているのが印象的で、かなり迫力が増していて、よりスーパーカーらしい風格を手に入れたと言えるのではないでしょうか。
エクステリアデザインについても、まるでコンセプトモデルがそのまま実車になってしまったかのようなトンガリ具合で、国産車らしからぬ!?造形美を誇っています。
ツーシーターのバケットシートがスペシャル感を主張するインテリアは、鮮烈なレッドに包み込まれるかのようです。またワンオフで作り上げられたかのような、複雑かつ繊細な造形をもったダッシュボードからセンターコンソールに至るまでの作り込みは、もはや芸術作品と言って差し支えないレベルに達していると感じます。
量産車でこのレベルに達しているのはまさに驚きです。新型NSXを手に入れられるオーナーは、このシートに身を沈めるだけでも至福の時間を味わえることは間違いありません。旧型の内装も、当時としてはかなりイカしたものではありましたが、さすがに4半世紀の時の流れは大きく、新型NSXの内装を見てしまった後では、平凡なものにさえ見えてしまいます。インパネは大型のタコメータが中央に陣取り、デジタル表示の速度がその中に表示されるスタイルで、生粋のスポーツカーであることを静かに主張しています。
見れば見るほどに酔いしれる、至高のスーパーカーが日本に復活したのだと、買えるわけでもないのにうれしくなってしまいます。
まとめ
新型NSXのスペック面は次々とベールを脱ぎ始めていますが、実走行のインプレッションが待ち遠しいですね。なかなか一般市民の手に届かないところにあるのは事実ですが、やはり車好きとしては、究極のマシンにロマンを感じてしまうのは止めようもありません。