
中古車の査定を行うときには、複数の中古車買取業者に依頼をすることがありますが、そのいずれの業者も査定は基本的に1回だけですよね。
しかし、最近ニュースで話題にもなった「再査定」をご存知でしょうか。
中古車買取業者によっては、1回目に中古車査定を行ってその条件で買取の契約をしたのにもかかわらず、再び査定を行ってそこで買い取り金額を下げてしまう、と言うことなのです。そんなことがまかり通るのかと思ってしまいますが、実際にある事例ですのでテレビでも報道されているんです。
ではどのような事例なのか、説明をしたいと思います。
再査定の事例
これまで4台のベンツを乗り換えてきたユーザーさんがいて、その人はこれまでは乗り換えをするたびに古いベンツは下取りをしてもらっていました。
しかし、高額で買い取ってくれる買取業者の話を聞いて、今乗っている中古のベンツを初めて買取業者にチャレンジすることになりました。
ディーラーに下取りですと150万円くらいの車なので、170万円くらいならいいかなと思っていたら、査定金額はなんと200万円!もちろん買取契約をして大喜びだったのもつかの間、入金を待つ間に「再査定」となってしまったのです。
再査定の結果、「ドアの部分に板金の痕跡がありますので170万円になります」と言われ納得が行かなかったのですが、契約書に再査定のことが小さく書かれていたとのことです。
「それならば車を返してください」と言ったところ、違約金が発生するとこれまた契約書に小さく書いてあったとのことです。
契約書を盾に取られることも
金額の多少はありますが、他にも似たような事例はたくさんあります。
再査定のややこしいのは、契約書にその旨が書かれているということです。いくら契約書の表や裏に書かれているとはいっても、その文字がとても小さいので普通はしっかり見たりはしません。
契約書に書かれていると言われれば、ユーザー側としては泣き寝入りするほかありません。
再査定に応じる必要はあるのか
では、実際に再査定の結果減額されてしまった場合、ユーザーはこれに応じなければならないのかと言うと、必ずしもその必要はありません。
この際に鍵となるのが、「瑕疵担保責任」で、これを簡単に言うと、「ユーザーがその車に事故歴や水没歴、メーター改ざんなどがあったことを知りながら、中古車買取業者にそのことを隠していた場合、ユーザーはその責任を取らなければならない」ということです。
上記の例で言いますと、今回査定してもらったベンツは「中古車」です。
新車であれば、その車の修復歴や改ざん、水没などはユーザーの知るところですが、前のオーナーさんの修復歴やメーター改ざん、水没歴までは知る由もありません。
よってこの場合、ユーザーさんは再査定の減額に応じる必要もありませんし、再査定そのものに応じる必要もありません。
そもそも、中古車買取業者は査定のプロであり、1回目の査定で板金の痕跡を見抜けなかったのは、明らかに買取業者の過失であるとも言えるわけです。また、消費者契約法の第10条では、「消費者器の利益を一方的に害する条項の無効」というのがあり、これを盾に再査定の結果を無効とする主張も可能です。
再査定の対処方法
しかし、実際にプロの買取業者を相手に素人であるユーザーが立ち向かうのは結構大変なもの。
そういった場合には、まずはキズや事故歴の証明書を買取業者に発行してもらいましょう。それを持って、国民生活センターなどに相談をするといいでしょう。
もし大手の買取業差ならば、本部に連絡をしてください。
その際、再査定となった営業所と担当者の名前は必ず言っておきましょう。くれぐれも、事故歴やキズ、水没歴があるのを隠して査定を受けてはいけません。必ず正直に申告しましょう。