トヨタライトエースモンタナ:あの世界のトヨタがかつて販売していた迷車に乗っていた話

泣く子も黙る世界のトヨタ

一般的なトヨタの印象は年間販売台数で常に世界トップの座を争い80点主義で、万人に受け入れられる車を是とする社風と、工場でも「かんばん方式」で徹底したコスト削減を行い、効率最優先のメーカーであるというのがおおかたのところではないでしょうか。

無駄を極限まで削げ落としたソツのない車のラインナップは万人に受け入れられているけれども、裏を返せば中庸で面白みにかける車ばかりという印象が張り付いてしまっているように感じます。

ところが個人的には子供時代に家にやってきた初めての車がトヨタのライトエースワゴンのモンタナというかなり尖ったモデルだったので、案外トヨタの印象は薄くは無いっていうかむしろ濃いくらいです。

あなたはこのライトエースモンタナはご存知ですか?

この車を知っている方はかなりの車通…というより相当なマニアかもしれません。

この車は12年乗り潰して、それなりに様々なところへ出かけていますが、このモンタナとすれ違ったのはたったの2回だけでした。そのすれ違ったときにはお互い指さしてびっくりした顔をしていたのを思い出します。

トヨタ車といえば、売れに売れて、右も左も同じトヨタ車なんてことも珍しくありませんが、これほど売れなかった車は他にないんじゃないかってくらいのレベルでした。(今となっては販売台数はわかりませんが…)

 

まさかまさかのトヨタ純正2段ベッド!

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この2段ベッドはDIYなどではなく、まごうことなきトヨタ純正装備!

ちなみにこの「モンタナ」がどういう車かというと、一言でいえば2段ベッドが純正で装着された車です。ほとんどのかたは「なにそれイミワカンナイ」状態だと思います。

仕組みを簡単に説明しますと、シートの2・3列目がフルフラットになって1段目のベッドになります。次に3列目の頭上に収納されたボードをちょうど真ん中くらいの高さまで降ろします。最後に運転席&助手席のヘッドレストを外したところにポール差し込み、降ろしたボードを渡すように2枚の別のボードを渡すように設置して完成です。

さすがに2階部分はあまり余裕はありませんが、手動でルーフを開けることもできるので、頭を出すこともできます。

 

この2段ベッドは便利な装備なのか!?

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かなりハジケてる感が満載のパンフレット…

なかなか面白いじゃあないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この車には決定的な欠点がありました。その欠点は、ずばり「ベッドとなる板を走行中にしまっておく場所が無い」ということです。

オーマイガーです。走行中にしまっておく場所が無いのにいったいどこでこの二段ベッドを使えと言うのでありましょうか。

100歩譲って後席をフラットにしておいて板をのせておくことも可能ですが、8人乗りのワゴン車を買うファミリーに、後席を使わない選択肢はありません。

というわけで、自宅の車庫で一度試しに二段ベッドモードにしてみた後は二度と二段ベッドの出番は来ませんしたとさってなもんです。

こんな状況は、ちょっと考えればわかりそうなものですが、ノリで企画が通ってしまったのでしょうか。当時はまだ日本の景気も上り調子で、イケイケの雰囲気があったのかもしれません。

 

残念ポイントはそれだけにあらず…。

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下段のフラットぶりは今見てもなかなか良い感じですが…。

この車の残念ポイントはまだほかにもあります。なんと、オートマチックが3速しかないのです。信じられますでしょうか?フルサイズのワンボックス車で3速ATです。今の車で3速で高速道路を走行しているところを想像してください。エンジンの回転数が上がり過ぎてやかましくなって、なにより燃費が極悪そうじゃあないですか。

まさにそのイメージ通りというか、さらに現状はひどいものです。時速80㎞を超えるとエンジンがうなりを上げはじめ、100㎞に達するともう、壊れてしまうのではと心配してしまうくらいにうるさくて、車内では怒鳴り声じゃないと会話が成立しないほどです。

エンジンがキャブオーバーなので、運転席の直下にあるのもまた状況を一層ひどいものにするのに一役買っています。

当然燃費のほうは高速道路に乗ってもリッター8㎞いけば御の字で、さらに追い打ちをかけるように、燃料タンク用量がわずか50リットルというおまけつきです。燃料メーターがみるみる下がって、常にガソリンが足りるのか、頭の中で計算しなければならないありさまでした。

そしてさらに驚かされることに、この重量級のクラスにありながら非パワーステアリング車であったのです。パワーステアリング無しがどれほどきついかご存知でしょうか。パワーステアリング付きだとエンジンによる油圧で、据え切りですら軽々と回ってしまいますが、実は相当のパワーが運転手の知らない間にアシストされているのです。

非パワーステアリング車を静止状態で据え切りしようとすると、冗談ではなく渾身の力を入れないと、ハンドルは回りません。

そんなですので、交差点でUターンなど、最小回転半径で回ろうとするときはほんとにエイサエイサと声が出てしまうほどに大変なものでした。

ハンドルに革を巻いたり、革手袋をするのはカッコつけでなく実用として必要なものだったのです。

 

まだまだある残念ポイントラッシュ!

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まさか20年以上後になって車中泊ブームが訪れるとはトヨタも予想できなかったか…

近年は内掛けハンドルをする方をほとんど見かけなくなりましたが、あれは教習所の指導の成果だけではなく、パワーステアリングの普及も大きいのではないかと推測しています。

内掛けハンドルだと思いっきり力を入れることができるので非パワーステアリングにはもってこいの方法だったとも言えると思います。

他にも、4輪ドラムブレーキだったので、長い下り坂ではブレーキのフェードにいっそう気を使わなくてはならなかったり、後輪のサスペンションは、今では考えられない板バネ式で、後席は跳ねるような乗り心地だったりとまあ、今のトヨタ車からは想像もつかないようなキワモノの車であったわけであります。

 

モンタナよさらば!マニュアル三菱ランサーこんにちわ!

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一気にコンパクトな車に乗り換えとなりました…

なかなかアレなモンタナ号ではありましたが、何しろ車内は今の車と比べても広いくらいでしたので、4人家族には十分すぎるほどゆったりとした車でした。なんだかんだ12年フルでお世話になった車ですので、非常に思い出深い車でした。

さすがに当時は12年目を過ぎると毎年車検になってしまっていたので、車を乗り換えることになったわけですが、次の車はなんと5速マニュアルのランサーでした。ワンボックスからいきなりセダンで、また干支が一周しての買い替えなのでいろいろな意味でギャップが凄かったのを思い出します。

初めに燃費ですが、車重が軽いうえにマニュアル車なので、高速道路ではリッター18㎞くらい走りました。当たり前のようにパワーステアリング車で、パワーウインドウや、集中ドアロック、フルオートエアコンなどなど、モンタナに無かったものが全部入りみたいな格差があり、いまでは当たり前でしょうが、当時はいたく感激しました。

初代ランサーエボリューションのベース車両になるだけあって、走りもしっかりしていて、乗り心地も上々と、当時としては言うことなしな優秀な車でした。

 

まとめ

トヨタの迷車「モンタナ」のお話はお楽しめいただけましたでしょうか。

最近のトヨタは少し挑戦的な車も手掛けるようになってきてるので、またモンタナのような面白い車を出してくれないかと期待しています。

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